岩田規久男「「小さな政府」を問いなおす」

政府・行政のあり方が、戦後から現在まで、どのように変化してきたかについて、政府の「大きさ」の観点から、世界的な視野を持って、経済的、政治的、思想的背景を踏まえて簡潔に整理されている。新自由主義の先駆けとしてのイギリス、福祉国家の代表としてのスウェーデンなど、他国の状況も具体的な説明がなされている。因果関係も必要十分にまとめられており、非常に読みやすい。内容の妥当性も、一般的に受け入れられているレベルと感じた。全体像の把握に最適。良書。お薦め。

著者の基本的なスタンスは、「小さな政府」を肯定するもの。実現の過程で、地域・収入格差など問題あるものの、それらへは適宜よりベターな方向へ微修正を加えれば良い、といったとこだろうか。加えて、妥当なレベル(年率1〜2%程度)のインフレ率を実現する金融政策(いわゆるリフレ政策)を主張する。

おおむね同意。

詳細、論点は、他の方のレビュー(ラスカルさん、Yasuyuki-Iidaさん、bewaadさんなど)を参考のこと。


「小さな政府」を問いなおす (ちくま新書)

「小さな政府」を問いなおす (ちくま新書)