後藤和智「『若者論』を疑え!」

今の「若者」をイメージする参考として。のっけから、盟友の本田由紀氏とのメタな対談に苦笑。本対談で「言い訳」しているように、この本は自説を主張しようとするものではなく、世の中に流通する根拠のない言説を批判する主旨の本なので、他の方の書評でも目につく通り、食い足りない印象はある。巷の言説状況の概観はできたのかなという印象。パラパラと著者の本音のようなもの(現在の状況は、「若者」の精神的な問題ではなく、経済的な問題であるといったもの)が出てくるのだが、本書の特性上、それが実証的に示されてるわけではないので、「それじゃ同じ穴のムジナだろ」と突っ込むこと時折。まぁ、若さゆえの前のめり加減はご愛敬。

「若者論」を疑え! (宝島社新書 265)

「若者論」を疑え! (宝島社新書 265)