佐々木信夫「自治体をどう変えるか」
読んだ。論点は広く押さえられてる、って感じかな。新書という制約もあり、各種提言については実現性の説得力を欠く印象がある。
![自治体をどう変えるか (ちくま新書) 自治体をどう変えるか (ちくま新書)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41VQMP2Z35L._SL160_.jpg)
- 作者: 佐々木信夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: 新書
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住民が直接触れるサービスの先進事例、新しい可能性に興味があり手に取った。しかしこの本の主題は、サービス内容自体ではなく、それを提供するための仕組みの改革にある。
一言で言うと、今後の方向性は「分権」。そしてその実現要件として、自治体自らによる政策立案能力の向上が主張される。
各種提言(例えばNPO活用や特色ある地方作り論)については、楽観的、理想論に過ぎる印象がある。新書のボリューム上の制約もあり、実現可能性、運用した際に発生するであろう課題についての深い検討がないため、一見リアリティを感じないからだ。
私自身は、本書でいうところの先進自治体に住んでいる。そのため、本書で先進事例として挙げられている事柄のいくつかはすでに実現されており、それも本書が強い印象を残さなかった理由と思われる。